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Japanische Klassiker mit Furigana

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とばくのふさい

賭博の負債

田中 貢太郎

Lesen Sie 賭博の負債 (とばくのふさい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.317 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

徳化県の県令をしていた張という男は、任期が満ちたのでたくさんの奴隷を伴れ、悪いことをして蒐めた莫大な金銀財宝を小荷駄にして都の方へ帰っていた。

華陰へきた時、先発の奴僕どもは豚を殺し羊を炙って、主人の張の着くのを待っていた。黄いろな服を着た男がどこからきたともなしに入ってきて、御馳走のかまえをしてある処へ坐った。

「お前さんは、たれだ、そんな処へこられては困る、もう張令のお着きになる時分だ」

奴僕の一人は豪い権幕で言ったが、黄いろな服の男は平気な顔をして動かない。ところへ張が着いた。奴僕どもはしかたなく皆でその男に手をかけて掴み出そうとした。

「おけ、おけ、そんなことをしなくってもいい」

張は奴僕を制して黄いろな服の男に向って聞いた。

「君は、どこから来たのだね」

黄いろな服の男は頷いて見せたが何も言わなかった。張は不思議な奴だと思ったが、悪人であるだけに気にもかけなかった。

「じゃ、まあいい、御馳走をしよう、酒でも飲んで往くがいい」

大きな盃へ酒を注いで出さすと、黄いろな服の男はやはり黙って飲んだ。飲んでから羊の炙肉の方を見て欲しそうに眼を放さない。