Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいガラスのきゅうでん
赤いガラスの宮殿
小川 未明
Lesen Sie 赤いガラスの宮殿 (あかいガラスのきゅうでん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.930 Zeichen · 10 Bildschirme
」
「その広い土地を掘ったら、金か、銀でも出てくるか……。そんなら、おれもいって、精を出して掘るべい。」
「金も、銀も、なんでも出てくるだ。おれたちがいって、よかったら、たよりをするだよ。そうしたら、おまえも、出かけてきべい。そんだら、達者で暮らしなよ。」
「そんだら、二人も、道中気をつけていきなよ。」
平三は、いつまでも道の上に立って、二人の姿の消えてゆくのを見送っていました。
それから、日がたちました。
彼は、村はずれの丘のふもとで、ひなたぼっこをして、ぼんやりと空想にふけっていました。おりおり思い出したように、初夏の風が、ため息をつくように吹いて、彼のほおをなでて過ぎました。
そのとき、三十五、六の女が、頭髪を乱して、ぶつぶつとつぶやきながら、せわしそうな足どりで、なにかざるにいれて、小わきに抱えながら、平三の前を通り過ぎようとしました。
平三の腰を下ろしているうしろには、こんもりとした野ばらのやぶがあって、真っ白な花のさかりでした。それには、無数のみつばちが集まっています。しかし、そんなことには、ここを通りかかる女も、また平三すらも気づいていないようすでした。