Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいガラスのきゅうでん
赤いガラスの宮殿
小川 未明
Lesen Sie 赤いガラスの宮殿 (あかいガラスのきゅうでん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.930 Zeichen · 10 Bildschirme
彼は足音を聞いて、ふと顔を上げると、やはり見知りの村の女でしたから、
「こんにちは、どこへいかっしゃる……。」と、声をかけました。女は、びっくりして、こちらを向きました。その目の中は涙にぬれていたのです。
「かわいい、大事な坊やが死んでしまって、おもちゃがあると思い出していけないから、みんな河に流してしまおうと思って、捨てにいくところだよ。」
「ほんとうに、かわいそうなことをしたな。おれに、よく悪口をいったり、石を投げたり、からかったが、あの子は、かわいい、いい子だった。おれ、ちっとも憎いと思ったことがなかったよ。」
「ほんに、おまえさんに、よくいたずらしたっけが、後生だから、悪く思って、くんなさんなよ。ちっとも悪気はなかったのだから……。」と、母親は、思い出して新しく出る涙をぬぐいました。
「おれ、坊やのおもちゃもらっておくだ。坊やのと思って、大事にするだ。おくんなせい。」
「そんだら、河さ流さんで、おまえさんにくれべいかな。」
母親は、子供のおもちゃを平三に与えたのでありました。
彼は、それを自分の小屋へ持って帰った。それらのおもちゃは、びっこの女の子のお人形や、セルロイド製のサンタクロースに似たおじいさんや、馬や、こわれかかった汽車や、そのほか絵本などでありました。