Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいステッキ
赤いステッキ
壺井 栄
Lesen Sie 赤いステッキ (あかいステッキ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.482 Zeichen · 23 Bildschirme
克子がうたてそうに、
「健ちゃん、気いつけんせに溝い落ちたんで、お母たん」
と、声をふるわせている。
「ほんまによれ、なあ克ちゃん」
そしてお母さんはもう泣いてはいない健のよごれた手を強く引っぱり、手荒くセーターをぬがせて健の顔や自分の手をふいた。
「きょと作よ、きょときょとしよるせに溝に落ちたりせんならん」
健はだまっていた。べつにどこも怪我はなかった。お母さんは上衣やズボンや靴下まで取りかえながらもう一度叱った。
「ほんまにお前はきょと作じゃ、今日からきょと作いう名にしてやる」
すると健は少しきまりわるい顔で口をとがらし、
「ええい、きょと作じゃないわい」
と、肩をふった。
「きょと作じゃない子が溝い落ちるかい、きょときょとしよるさかい」
「きょときょとやこい、しやせんわい、健、克ちゃんがいつもどんなんか思て目つぶって歩いてみたら、気いつけたのに落ちたんじゃい」
これにはお母さんも何ともいいようがなく、
「きょうとやの、まあ」
と、笑った。
そんなふうで克子はお母さんが案じるほどのこともなく、健のいないときでも近所じゅうを一人で遊びまわった。まださをたより発音できない克子に、