Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいふねのおきゃく
赤い船のお客
小川 未明
Lesen Sie 赤い船のお客 (あかいふねのおきゃく) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.624 Zeichen · 8 Bildschirme
赤い花、白い花、紫の花、青い花、そして黄色な花もありました。
夕空に輝く星のように、また、海から上がったさまざまの貝がらのように、それらの花は美しく咲いていました。
二郎は、ぼんやりと立ってながめていますと、その中の、いちばん茎の長い赤い花は、どこかで見た女の人を思い出さずにはいられませんでした。
「どこで、ちょうどこの花のような人を見たであろうか……。」と、二郎はしばらく考えていました。
彼は、やがてそれを思い出しました。
それは昨日の晩方、港の方へ歩いてゆくと、町の中で脊のすらりっとした、ほおの色の美しい、りっぱな着物を着た旅の女の人を見たのでした。
二郎は、足もとに咲いている赤い花が、風になよなよと吹かれている姿が、その人のようすそのままであったことを思ったのです。
二郎は沖の方を見ますと、赤い船が、今日も停まっていました。
やはり、夢ではなかったことがわかりました。
晩方まで、花の咲いている丘の上で、彼は空想に時をすごしました。
そして、海の面が入り日の炎に彩られて、静かに暮れていった時分に、彼は町の方へ帰ってゆきました。
ある果物屋の前で、ふたたび昨日の美しい女の人に出あいました。