Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいらくだ
赤い駱駝
梅崎 春生
Lesen Sie 赤い駱駝 (あかいらくだ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.820 Zeichen · 24 Bildschirme
時々立ちどまって衣嚢をつめこむ兵をじっと眺めたり、呼びとめて何か質問して、その答えを手帳に書きこんだりしているようだった。昨夜もほとんど眠らないらしく、眼が充血して、その中から黒瞳がきらきらと光っていた。もう誰が見ても、二見の様子は常態ではなかった。すれちがってもこちらを認めない風で、なにかひやりとするような感じを身体中から発散させていたんだ。
「あいつはすこし変だぜ。どうしたんだ」
あの特務中尉がちょび鬚の辺を手巾でふきふき、士官室に入ってきながらそう言った。
「二見少尉よ。暑いんで逆上したんか」
そのとき士官室のすみで考えごとをしていたおれは、その言葉で急に心配になって、駆られるように通路へとびだした。通路を探しながらとおり抜け、表へ出た。そこでぱったりと二見に出合ったんだ。二見はぐっと胸を反らし、ほとんど大袈裟に見えるほど、両手を交互に勢いよく振りながら、調子をつけて歩いているところだった。
「二見。どうしたんだ」
おれは呼びとめた。すこし呼吸をはずませながら。二見は立ち止っておれを見たが、じっと見ているだけで、しばらく何も言わなかった。そして突然手をのばしておれの腕をつかんだ。