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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

おそらく、田舎者にとっては幕府経営の施療所や、その医長である新出去定などが、輝かしく、崇敬すべきものにみえるのであろう。ばかなはなしだ、と登は思って、半太夫とは殆んど口もきかずにいた。それが思いがけないときに、いきなり辛辣な皮肉をあびせられたので、殴りつけるのをがまんするのが登には精いっぱいであった。

彼はそのときのことはお杉にも話さなかった。半太夫には田舎者らしい律儀さがあって、所内の者や患者たちにも好かれているようだし、お杉もときどき褒めるようなことを云った。――賄所と呼ばれる炊事場に、お雪という娘がいて、あれが半太夫の恋人だと、津川に教えられたことがあったが、お杉の話によると、お雪のほうが片想いで、半太夫はお雪を避けているということであった。

「あんなに夢中になれるものかしら」と或る夜、いつもの腰掛でお杉が云った、「見ていても可哀そうなくらいですわ、森さんのお堅いのは立派だけれど、お雪さんのことを考えると憎らしくなってしまいます」

「半太夫の話なんかよせ」と登は遮った、「それよりもおゆみさんのことを聞こう、おまえずっと付いていたんじゃないのか」