Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

六

お杉の声に警戒の調子があらわれた、「どうしてそんなことをお訊きになるんですか」

「医者だからさ」と彼は云った、「私は森なんぞと違って蘭方を本式にやって来たんだ、赤髯だって知らない診断や治療法を知っているんだぜ」

「ではどうしてそれを、実際にお使いにならないんですか」

「こんな掃き溜のようなところでか」と彼は片手を振った、「私はこんな施薬院の見習医などにはならない、こんなところの医員になるつもりで修業したわけじゃないんだ」

「あなたはまた酔っていらっしゃるのね」

「話をそらすな」と彼は云った、「見習医なんかまっぴらだし、誰でもまにあう病気なんかに興味はない、けれども珍らしい病人がいれば、医者としてやっぱり手がけてみたくなる、ここではおゆみさんがその一例だ」

「あたし信じませんわ」

「信じないって、――なにを信じないんだ」

「みなさんの気持です」とお杉が云った、「お嬢さんの話になると、きまっていやらしいみだらな眼つきをなさるのよ、津川さんなんかいちばんひどかったけれど、去定先生のほかには一人だってまじめな方はいやあしませんわ」

六

登は暗がりの中でお杉を見た。

「そういうことは知らなかった」