Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

殺されるのだ」

登は頭がくらくらとなった。

――おゆみだ。

と思ったのである。彼は握っていた女の手を放そうとしたが、手は動かなかった。女はすりよって来て、片手を彼の首へ巻きつけた。登は叫んだ。しかし声は出なかったし、舌が動かなかった。

――お杉ではない、これはおゆみだ。

彼は髪の逆立つような恐怖におそわれた。女は登を押えつけた。片手で首を抱き、ぴったりと胸を合わせ、口では話を続けながら、しだいに彼を仰向きに寝かせ、その上へやわらかにのしかかった。

「初めて店の者が寝間へ忍んで来たとき」と彼女は続けていた、「あたしは同じことを考えたのです、いよいよ自分は殺されるだろう、こんどこそ殺されるだろうって、――それで、あたしは釵を取りました、ごらんなさい、この釵です」

彼女は片方の手を見せた。その手に平打の釵が光るのを登は見た。逆手に持ったその釵は銀であろうか、先のするどく尖った二本の足は、暗がりの中で鈍く光ってみえた。

「あたしは黙って待っていました」と彼女はささやいた。秘めた悦楽に酔ってでもいるような、熱い呼吸とひそめた声が、登の顔の寸前に近よった、「店の者ははいって来て、あたしの脇へ横になり、手を伸ばしてあたしをこう抱いたのです」