Japanische Klassiker mit Furigana
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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme
文面は想像のとおり、彼の訪ねて来ないことを大変寂しがっていること、今夜にでも店の方にでも、それともどっかで電話をかけて呼んで呉れれば直ぐ飛んでゆくからというような、当人達でなければ読んでいるに耐えないような文句が縷々として続いていた。桃枝は学士の内妻に等しい情人だった。彼は手紙を畳むと、ポケットへねじこんだ。
(今日はいっそのこと、仕事をよして、これから桃枝を引張り出しにゆこう)
深山理学士が実験衣を脱いで、卓子の上へポーンと抛り出したときに、廊下にコツコツと聞き覚えた跫音がして、白丘ダリアがやって来た。
「先生、先生」
扉をあけてやると、ダリアは兎のように飛びこんできた。
「先生済みませんでした。急用が出来たものですから……」
「一体どうしたというのです」深山理学士は桃枝のことなんか一時に吹きとばすように忘れてしまって、真剣な面持で聞いた。
「警視庁から呼ばれて、ちょっと行ったんですけれど……」
「なに、警視庁へ」
「あたしのことじゃないんですけど、伯父が呼ばれたんで、あたしも附いてこいというので行ってたんです。伯母さんが一週間ほど前に行方不明になったんで、そのことで行ったんですよ。