Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せきがいせんおとこ

赤外線男

海野 十三

Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

「大いに同感ですな」

「視えもせぬものを視えたといって彼が騒いだと考えても筋道が立つ。――ところが其の本人が殺されてしまったんだから、これはいよいよ大変なことになった」

「僕は兎に角、見に行って来ます。あれは日本堤署の管内ですね」

課長は黙って肯いた。

警察へ行ってみると、現場はまだそのままにしてあるということだった。場所を教えて貰うと、彼は直ぐ警察の門を飛び出した。

そこから、桃枝の家までは五丁ほどで、大した道程ではなかった。彼は捷径をして歩いてゆくつもりで、通りに出ると、直ぐ左に折れて、田中町の方へ足を向けた。震災前には、この辺は帆村の縄張りだったが、今ではすっかり町並が一新してどこを歩いているものやら見当がつかなかった。どこから金を見つけて来たかと思うような堂々たる五階建のアパートなどが目の前にスックと立って、行く手を見えなくした。彼は忌々しそうに舌打ちをして、大田中アパートにぶつかると、その横をすりぬけようとした。そしてハッと気がついた。

見ると、アパートの高い非常梯子に、近所の人らしいのが十四五人も載って、何ごとか上と下とで喚きあっているのだ。