Japanische Klassiker mit Furigana
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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme
しかしそれは密閉されたる室のうちで演じられている怪しげなる戯れだった。斯かる情景は人目のつかぬ真夜中に行うべきものだと思うのに、それがまことに明るい光の下に於て行われている。そのいぶかしさは、尚も仔細に画面を点検すれば、次第に明瞭だった。それは赤外線で撮影した活動写真であったのだ。
恐らく場面は、真夜中であったろう。真暗な室の中に、この場のことは演ぜられたのに違いない。それにも係らず、この室にどこからか赤外線を当て、それを赤外線の活動写真に撮影したのだった。そして人物は子爵夫人黒河内京子と青年潮十吉!
さてこの呪うべき撮影者は、一体誰であるか。
潮はこの映画の写っている間は、頭を下げ顔を掩うたまま、一度も首をあげようとはしなかった。映画が終って、一座の深い溜息と共に、パッと電灯がついた。
「潮」大江山課長は声をかけた。「この撮影者は誰か」
「あいつです」青年はグッと首をもちあげた。「あいつです。深山楢彦――彼奴がやったんです。子爵夫人と僕とは間違ったことをしていました。深山は而も夫人に恋をしていたのです。彼奴は私達の深夜の室をひそかに窺って暗黒の中にあの赤外線映画をとってしまったんです。