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Japanische Klassiker mit Furigana

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せきがいせんおとこ

赤外線男

海野 十三

Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

深山はそれをもって可憐なる子爵夫人を幾度となく脅迫しました。一度は夫人があのフィルムの一端を奪ったのですが、それは焼いてしまいました。バッグの底にのこっているフィルムの焼け屑は、あれだったんです。鬼のような深山は、赤外線利用の技術を悪用して、それまでにも、人の寝室を密かに写真にとっては、打ち興じていたという痴漢です。しかし飽くまで夫人に未練をもつ彼は、夫人が意に従わないときはあの映画を公開するといって脅かしたのです。夫人は凡てを観念し、とうとう新宿のプラットホームからとびこまれたのです。これも皆、深山の仕業です。夫人は身許のわかることを恐れて、いつもあのような服装を持って居られました。あれは最も平凡な、世間にザラにある持ちものを集められたのです。いわば月並の衣類なり所持品です。それがうまく効を奏して隅田氏の妹と間違えられたのです。顔面の諸に砕けたのは、神も夫人の心根を哀み給いてのことでしょう。僕は復讐を誓いました。そして深山の室に闖入して、あのフィルムを奪回したのです。彼奴を探しましたが、どうしたものかベッドはあっても姿はありません。早くも風を喰らって逃げてしまった後だったのです。