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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかごうしくろうえもんのむすめ

赤格子九郎右衛門の娘

国枝 史郎

Lesen Sie 赤格子九郎右衛門の娘 (あかごうしくろうえもんのむすめ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.174 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

「さあさあ今日は遠慮はいらぬ。破目を外して飲んでくれ。それ一献、受けたり受けたり」

隠居し、今は卜翁と号したが、志摩景元は自分からはしゃいで無礼講の意気を見せるのであった。

「御前もあのように有仰ります。遠慮は禁物でござります。……鈴木様、小宮山様、さあさあお過しなさりませ。おやどうなされました川島様、お酒の一斗も召し上ったように顔を真赤にお染め遊ばして、どれお酌致しましょう、もう一つおあがりなさりませ、……山崎様や、井上様、いつもお強い松井様まで、どうしたことか今日に限って一向にお逸みなされませぬな。さてはお酌がお気に召さぬそうな」

「なんのなんの飛んでもないことで。お菊様の進め上手に、つい平素より度をすごし、眼は廻る、胸は早鐘、苦しんで居るところでございますわい」

鈴木利右衛門はこう云いながらトンと額を叩いたものである。

「お菊お菊、構うことはない、どしどし酒を注いでやれ。何の鈴木がまだ酔うものか」

卜翁は大変なご機嫌でこうお菊をけしかけた。

今日は五人の年始客は、卜翁が役に居った頃部下として使っていた与力であって、心の置けない連中だったので、酒が廻るに従って、勝手に破目を外し出した。