Japanische Klassiker mit Furigana
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あかごうしくろうえもんのむすめ
赤格子九郎右衛門の娘
国枝 史郎
Lesen Sie 赤格子九郎右衛門の娘 (あかごうしくろうえもんのむすめ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.174 Zeichen · 33 Bildschirme
袴を取って踊り出すものもあればお菊の弾でる三味線に合わせて渋い喉を聞かせるものも出て来た。それが又卜翁には面白いと見えてご機嫌はよくなるばかりである。
騒ぎ疲労て静まった所で、ふと卜翁は云い出した。
「……御身達いずれも四十以上であろうな。鈴木が年嵩で六十五か。……年を取ってもこの元気じゃもの壮年時代が思いやられる。……さればこそ一世の大海賊赤格子九郎右衛門も遁れることが出来ず、御身達の手に捕えられたのじゃ。……いや全く今から思ってもあれは大きな捕物であったよ」
「はい左様でございますとも」
鈴木利右衛門が膝を進めた。
「まさか海賊赤格子が身分を隠して陸へ上り、安治川一丁目へ酒屋を出し梶屋などという屋号まで付けて商売をやって居ようなどとは夢にも存ぜず居りました所へ、重右衛門の訴人で左様と知った時には仰天したものでございます。……番太まで加えて百人余り、キリキリと家は取り巻いたものの相手は名に負う赤格子です、どんな策略があろうも知れずと、今でこそお話し致しますが尻込みしたものでございます」
「九郎右衛門めは奥の座敷で酒を呑んでいたそうじゃな」
「我々を見ても驚きもせず、悠々と呑んで居りました。