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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかごうしくろうえもんのむすめ

赤格子九郎右衛門の娘

国枝 史郎

Lesen Sie 赤格子九郎右衛門の娘 (あかごうしくろうえもんのむすめ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.174 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

その大胆さ小面憎さ、思わずカッと致しまして、飛び込んで行ったものでございます」

「そうしてお前がたった一人で家の中へ飛び込んで行き、九郎右衛門に傷を負わせたため、さすがの九郎右衛門も自由を失い捕えられたということじゃな」

「先ず左様でございますな」

利右衛門はいくらか得意そうに、こう云って頭を下げたものである。

先刻から恐ろしい熱心をもって話を聞いていた美しいお菊は、どうしたものか利右衛門の顔をこの時横眼で睨んだものである。

何とも云えぬ物凄い睨視! 何とも云えぬ殺伐な睨視!

貴殿の背中に白い糸屑が!

しかし勿論誰一人としてお菊の顔色の変わったことに不審を打とうとするものはなかった。

尚ひとしきり赤格子の噂で酒宴の席は賑わった。その中日が暮れ夜となった。銀燭が華やかに座敷に点り肴が新しく並べられ一座はますます興に入り夜の更けるのを知らないようである。

今の時間にして十時過ぎになるとさすがに人々は騒ぎ疲労たらしく次第に座敷は静かになった。

「私少しく遠方でござれば失礼ながらこれで中座を」

こう云って利右衛門は腰を浮かせた。

「もう帰ると? まだよかろう。夜道には日の暮れる心配はない。