Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちょうじんひげのはかせ

超人鬚野博士

夢野 久作

Lesen Sie 超人鬚野博士 (ちょうじんひげのはかせ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.054 Zeichen · 117 Bildschirme

Aozora Bunko

「親方。ほかの芸当なら何でも我慢するが、アノ親方のアタマの上の逆立ちだけは勘弁してくれんかい」

親方は面喰らったらしかった。赤い鼻をチョット抓んで眼を丸くした。

「何で、そんげな事を云い出したんかい」

吾輩は頭を掻いた。マサカにタッタ一本の毛が恐ろしく、逆立ちが出来ないとは云えないからスッカリ赤面してしまった。

「何でチウ事もあらへんけんど……アレ位のこと……アンマリ見易うて見物に受けよらんけに、止めとうなったんや」

「馬鹿奴え。何を吐きくさる。ワレのような小僧に何がわかるか。あの逆立ちは芸当の小手調べチウて、芝居で云うたらアヤツリ三番叟や。軽業の礼式みたようなもんやけに、ほかの芸当は止めてもアレだけは止める事はならん。それともこの禿頭が気に入らん云うのか」

と云ううちにオヤジは渋臭い禿頭を吾輩の鼻の先に突付けて平手でツルリと撫でて見せた。それにつれて頭の上の黒い毛がピインと跳ね返って吾輩の鼻の頭に尖端を向けた。トタンに吾輩の全身がズウーンとして、お尻の割れ目がゾクゾクと鳥肌だって来た。

吾輩は、思わずその禿頭を平手で押除けた……と思ったが、気が付いた時には、楽屋の荒板の上に横たおしにタタキ付けられていた。