Japanische Klassiker mit Furigana
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ちょうじんひげのはかせ
超人鬚野博士
夢野 久作
Lesen Sie 超人鬚野博士 (ちょうじんひげのはかせ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.054 Zeichen · 117 Bildschirme
「おかしいわねえ。そんなお母さんだったら娘さんはイヤでも反感を起して日本髪に結うものだけど……妾ならそうするわ」
「ちょいと先生。その伯爵様っていうのも妾、何だか怪しいと思うわ。先生のお話の通りだったら」
「フウン。容易ならん事がアトカラアトカラ持上って来るんだな、これあ。どこが怪しい、名探偵君……」
「だって、そんな冷淡な許嫁なんか恋愛小説にだって無いわ。せいぜい一日に一度ぐらいは訪ねて来なくちゃ嘘よ」
「それにねえ先生。その断髪令嬢のお父さんのコンクリート氏が引っぱられてからというもの、一度もそのお河童さんの処に訪ねて来ないなんて、よっぽどおかしいわ」
「ねえ先生。これを要するにですねえ、先生」
女将はボオッと来ているらしい。しきりに舌なめずりをして眼を据えた。
「ウフウフ。これを要しなくたっていいよ」
「いいえ。是非ともこれを要する必要が御座いますわ。どうも先生の仰言る実物創作の筋書っていうのは、カンジンの材料が二割引だと思いますわ」
「ヒヤッ。材料とおいでなすったね。どこでソンナ文句を仕入れたんだい」
「あたしの二代前の亭主が小説家だったんですもの。自然主義の大将とか何とか云われていたんですけど、創作なんか一度もしないで、実行の方にばかり身を入れちゃって、とうとう行方知れずになったんですからね。