Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅみのいでん
趣味の遺伝
Lesen Sie 趣味の遺伝 (しゅみのいでん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.235 Zeichen · 77 Bildschirme
それはそれは。いや気の毒な事で――母はまだあるはずじゃが……」と一人で弁ずる
河上一家の事を聞くつもりなら、わざわざ麻布下りまで出張する必要はない。河上を持ち出したのは河上対某との関係が知りたいからである。しかしこの某なるものの姓名が分らんから話しの切り出しようがない。
「その河上について何か面白い御話はないでしょうか」
老人は妙な顔をして余を見詰めていたが、やがて重苦しく口を切った。
「河上? 河上にも今御話しする通り何人もある。どの河上の事を御尋ねか」
「どの河上でも構わんです」
「面白い事と云うて、どんな事を?」
「どんな事でも構いません。ちと材料が欲しいので」
「材料? 何になさる」厄介な爺さんだ。
「ちと取調べたい事がありまして」
「なある。貢五郎と云うのはだいぶ慷慨家で、維新の時などはだいぶ暴ばれたものだ――或る時あなた長い刀を提げてわしの所へ議論に来て、……」
「いえ、そう云う方面でなく。もう少し家庭内に起った事柄で、面白いと今でも人が記憶しているような事件はないでしょうか」老人は黙然と考えている。
「貢五郎という人の親はどんな性質でしたろう」
「才三かな。