Japanische Klassiker mit Furigana
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おどるいっすんぼうし
踊る一寸法師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 踊る一寸法師 (おどるいっすんぼうし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.734 Zeichen · 16 Bildschirme
その楽器の来るのも待たないで、八字髭の手品使いは、酒樽のふちを叩きながら、胴間声をはり上げて、三曲万歳を歌い出した。玉乗娘の二三が、ふざけた声で、それに和した。そういう場合、いつも槍玉に上るのは一寸法師の緑さんだった。下品な調子で彼を読込んだ万歳節が、次から次へと歌われた。
てんでんに話し合ったり、ふざけ合ったりしていた連中が、段々その歌の調子に引き入れられて、遂には全員の合唱となった。気がつかぬ間に、さっきの若い軽業師が持って来たのであろう、三味線、鼓、鉦、拍子木などの伴奏が入っていた。耳を聾せんばかりの、不思議なる一大交響楽が、テントをゆるがした。歌詞の句切り句切りには、恐しい怒号と拍手が起った。男も女も、酔が廻るにつれて、漸次狂的にはしゃぎ廻った。
その中で、一寸法師と紫繻子は、まだ争いつづけていた。緑さんはもう丸太を離れて、エヘエヘ笑いながら、小猿の様に逃げ廻っていた。そうなると彼はなかなか敏捷だった。大男の紫繻子は、低能の一寸法師に馬鹿にされて、少々癇癪を起していた。
「この豆蔵奴、今に、吠面かくな」
彼はそんな威嚇の言葉を怒鳴りながら追っかけた。