Japanische Klassiker mit Furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
Lesen Sie 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.926 Zeichen · 332 Bildschirme
』
『ははあ、大したもんですな。』
『これが将軍の寝台。』
『へえい! 大したもんですな。』
『これが将軍の――これが将軍の――これが将軍の――。』
弾丸だの槍だのぼろぼろの肩章だの――もちろんすべて将軍の――を一まわり見て戸外へ出る。
『これが将軍の踏んだ階段だね。』
私がこういって木の梯子段をこつこつ蹴ったら、運転手は眉を上げて保証した。
『もちろん、そうです。』
じぶんのものみたいだ。この運転手はブラッセルの町で拾ったのだが、若いにしてはじつによく「当時を心得」ていて、把輪を握りながら、散策中の鶏や犬や、時には村人をあわや轢きそうになるのもかまわず、はんぶんうしろを向いて盛んに饒舌り散らす。
『ええ、十七日の十一時ごろから明け方へかけて土砂ぶり、ナポレオンの兵隊は足拵えがよくなかった――おまけに大きな溝がありましてね。いまそこへ行きますが。』
そこへ行こうとして曲り角へ出る。オテル・ドュ・コロウヌと看板を上げた村の倶楽部みたいなささやかな居酒屋がある。
『一八六一年、ユーゴウはこの家に滞在して、あの「ああ無情」のなかのウォタアルウのところを書いたんです。やっぱり実感を得に来たんでしょうなあ。