Japanische Klassiker mit Furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
Lesen Sie 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.926 Zeichen · 332 Bildschirme
運命をともにする同車の日本人諸彦――車室順。
A氏。日本橋の帽子問屋さん。汽車が走ってるあいだは花と将棋。停まるが早いか駅々から故国にほんへ懐しい便りを投ずる。口ぐせ「馬鹿にしてやがら、露助の汽車なんて。」
M氏。銀座の洋物店M屋の若旦那。Aさんと同伴で商売発展の準備にチェッコのプラアグへ行く途中。鞄から色んなものが出る。山本山の玉露・栄太郎の甘納豆・藤村の羊羹・玉木屋の佃煮・薬種一式・遊び道具各種。到れりつくせりだ。「お前、西洋へ行くなら盲唖学校へはいって、あのそれ手真似、あいつを覚えときゃよかった。あれなら、どこい行っても国際語だから、なあんて友達のやつひでえことを言いますよ。あははははは。」ところが御曹子。外国語がぺらぺらである。
O教授。K大学法学部の若い先生。しきりに沿線各駅で子供の絵本を買いあつめる。おせっかいなのが「坊ちゃんですか、お嬢さんですか。」教授、猛烈な近眼をぽかんとさせて「え? じょ、冗談じゃありません。まだひとりです。」道理で洋袴のお尻に穴があいている。
W選手。J新聞社世界早廻り競争の西まわり選手だ。大きな日の丸を胸へつけて、車内随一の元気である。