Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おどるちへいせん

踊る地平線(上)

谷 譲次

Lesen Sie 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.926 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

待ってるうちに濡れたままの写真を濡れたままの手で突き出す。どうやら見ようによっては人らしくも見えるものがふたつ浮かび出ていて、あたい金五マルカ、邦貨約二十五銭也。

ヴォクセニスカという村へ辿りつくと、この機を逃さず珍種日本人を見学せばやとあって、黒土道の両側に土着の人民が堵列している。逸早く私たちの来ることを知って、小学校の先生が学問の一部として生徒を引率して見せにきたに相違ない。いやに子供が多い。子供というより「餓鬼」といったほうがぴったりする。その餓鬼の大群集がぽかんと口をあけて、探険家然と赤革の外套なんかを着用している、二人とふたりの持物に飽かず見入っている。日本でも、よほどの田舎へ異人さんが行くと今でもこうだろうが、こうして自ら異人さんの立場に身を置いてみると、これはなかなか愉快な感情である。ちょっと「街上で発見された」名優の舌打ちに似ている。迷惑は迷惑だが、底に満足された虚栄心のよろこびといったようなものを拒み得ない。じっさい餓鬼は餓鬼を誘い、弟は兄を、姉は妹を、おふくろは父つぁんを、婆さんは爺さまを、鶏は牛を、犬は馬を、みんながみんなを呼び出して来て、隣異と讃嘆をもって遠くから研究的に見物するんだから、こっちで私たちが、ふたりで何か話して笑っても、私が煙草に火をつけても、彼女が鼻へ白粉を叩い