Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おどるちへいせん

踊る地平線(下)

谷 譲次

Lesen Sie 踊る地平線(下) (おどるちへいせん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.823 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

私には固い洋襟が寒かった。

カフェ・ドュ・パリから音譜が走り出て来た。白絹を首へ巻いた紳士が、その白絹を外してシルクハットと一しょに入口の制服の男に渡してるのが芝居のように見えた。女たちは金銀のケエプをしっくりと身体に引き締めて、まるで燐の鱗を持った不思議な魚のようだった。彼女らの夜会服の裾は快活に拡がっていて、そうして背ろの一部分は靴にまで長かった。流行は絶えず反覆するものであると賢人が言った。あれほど批評の声のやかましかった短袴時代はすでに過去へ流れて、世はスカアトだけがヴィクトリア朝へ返ったのだ。しかし、やはり膝頭の見える女もいた。が、今もいうとおり流行は絶えず繰りかえすものである。だからこれは、遅れているのではなくて、現下の長袴流行の一つ先を往ってるのだ。つまりこのほうが早いのだ。とは言え、その敵に当る長袴連中はそのまた短袴時代の次ぎに来るであろう長袴時代を生きているのかも知れなかった。すると、いまの短袴組はそれを通り過ぎたまたまた一つ未来の時期を掴んでいるのだと主張するのである。

賭博場の建物は航空母艦のように平たく長かった。正面に赤い満月が懸っていた。