Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ろくろくび

轆轤首

田中 貢太郎

Lesen Sie 轆轤首 (ろくろくび) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.065 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

「これも何かの縁、罪障消滅のたしになるかも判り申さぬ、それでは聞いて頂こうか。お察しの通り、以前はさる大名に仕えた侍でござったが、ふとした事から酒と女に心を奪われ、結局の果は何人かの者に手をかけて、この地に隠れておる者でござるが、時が経つにつれて浅間しく、邪慾のために、祖先を辱かしめたるこの身が恨めしゅう、此の比では、つくづくと後世のほども案じられてなりませぬわい」

「どうやら床しい御仁体と見受け申したが、さては左様でござったか」

怪量は凝と対手の顔を見た。

「いや、若気の誤は人間の常でござるわい、それにしても早くそれに気が注かれたは、まだ御仏の助けの綱の断れぬ証しでござろう。昔のことは昔のこと、此上は御仏にすがって、再び花咲く春を待たるるがよろしゅうござるぞ」

「身に沁みてのお言葉、忝けのうござる」

山上の夜は更けた。女達は次の間へ怪量の衾をのべた。すすめられるままに怪量はその部屋へ入った。

「一夜の礼じゃ、せめて読経致して、主人の苦悩を助けて取らそうか」

枕頭に端座して低声で読経をつづけたが、やがてよして窓を開けた。静な月の下に筧の水音ばかりが四辺の静寂を破っていた。