Japanische Klassiker mit Furigana
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ろくろくび
轆轤首
田中 貢太郎
Lesen Sie 轆轤首 (ろくろくび) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.065 Zeichen · 11 Bildschirme
外の黒々とした杉林の中から話声が聞えて来た。怪量は物陰から物陰を伝ってそれに近づいて往った。
月光の影まばらな林の中には、主人の首をはじめ五つの首が人魂のように飛び廻っていた。みんな面白そうに笑いながら、地上や樹から虫か何かを探して喫っているのであった。
怪量は喰い入るような目で見守っていた。と、主人の首が物を喫うことを止めて他の首を揮りかえった。
「そろそろ彼の坊主を啖いたいものだな、彼奴め、わしの言葉を真に受けやがって、頼みもせぬ経をはじめおった。経を読んでる間は近寄れないが、もう追っつけ黎明に近い、坊主ももう睡ったに相違ない、睡っていたらお前達にも、彼の太った旨そうな奴を啖わしてやる、何人か往って容子を見て来い」
一つの首が合点合点して舞いあがり、蝙蝠のように家の方へ飛んで往ったが、間もなくあわただしく飛び帰って来た。
「大変じゃ、大変じゃ、彼の坊主の姿が見えませぬぞ、何処かへ往ってしまいましたぞ、いや、そればかりか、大将の体を奪って往ったのか、いくら探しても、大将の体は見えませぬぞ」
主人の髪が逆立った。
「なに、おれの体が見えぬ、さては、やられたか」