Japanische Klassiker mit Furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Lesen Sie 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.469 Zeichen · 157 Bildschirme
どうかして浦塩更紗のドックに入れてもらおうと思うて……」
「馬鹿……大概にしろ。この忙しい事務所に来て、仁輪加を初める奴があるか……」
しかし篠崎仁三郎はどこへ行ってもこの調子であった。魚市場の若い連中が何かの原因でストライキを起して、幹部連中が持てあましている場面でも湊屋仁三郎が出て行くと一ペンに大笑いになって片付いた。
「貴様は○○のような奴じゃ。撫でれば撫でる程、イキリ立って来る。見っともない」
結局、彼にとっては人間万事が仁輪加の材料でしかなかった。事窮すれば窮するほど上等の仁輪加が出来るだけの事であった。彼は洒々落々の博多児の生粋、仁輪加精神の権化であった。
太閤様を笑わせ、千利休を泣かせるのは曾呂利新左衛門に任す。白刃上に独楽を舞わせ、扇の要に噴水を立てるのは天一天勝に委す。木仏、金仏を抱腹させ、石地蔵を絶倒させるに到っては正に湊屋仁三郎の日常茶飯事であった。更に挙す。看よ。
やはり湊屋仁三郎が一文無し時代の事。連日の時化で商売は出来ず、仕様ことなしに、いつも仲好しの相棒と二人で、博多大浜の居酒屋へ飛込んだ。無けなしの銭をハタキ集めてやっと五合桝一パイの酒を引いたが、サテ、酒肴を買う銭が無い。