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Japanische Klassiker mit Furigana

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きんせいかいじんでん

近世快人伝

夢野 久作

Lesen Sie 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.469 Zeichen · 157 Bildschirme

Aozora Bunko

翁にしてもし、元亀天正の昔に生を稟けていたならば、たしかに天下を聳動していたであろう。如何なる権威にも屈せず、如何なる勢力をも眼中に措かない英傑児の名を、青史に垂れていたであろう。

こうした事実は、奈良原翁と対等に膝を交えて談笑し、且つ、交際し得た人物が、前記頭山、杉山両氏のほかには、あまり居なかった。それ以外に奈良原翁の人格を云為するものは皆、痩犬の遠吠えに過ぎなかった事実を見ても、容易に想像出来るであろう。

明治もまだ若かりし頃、福岡市外(現在は市内)住吉の人参畑という処に、高場乱子女史の漢学塾があった。塾の名前は忘れたが、タカが女の学問塾と思って軽侮すると大間違い、頭山満を初め後年、明治史の裏面に血と爆弾の異臭をコビリ付かせた玄洋社の諸豪傑は皆、この高場乱子女史と名乗る変り者の婆さんの門下であったというのだから恐ろしい。彼の忍辱慈悲の法衣の袖に高杉晋作や、西郷隆盛の頭を撫で慈しんだ野村望東尼とは事変り、この婆さん、女の癖に元陽と名乗り、男髪の総髪に結び、馬乗袴に人斬庖刀を横たえて馬に乗り、生命知らずの門下を従えて福岡市内を横行したというのだから、デートリッヒやターキーが辷ったの、女学生のキミ・ボクが転んだの候といったって断然ダンチの時代遅れである。