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Japanische Klassiker mit Furigana

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おいついたゆめ

追いついた夢

山本 周五郎

Lesen Sie 追いついた夢 (おいついたゆめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.427 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

……おけいがそれを知ったのは三十日ほどまえのことである。このあいだ約半年、家主の万兵衛に金を借りたし、それこそ売れないような物まで売りつくした。

――お父つぁんは仕合せだった。

母親は独り言のようによくそう言った。

――少しもなが患いをしないで、あんなに早く死ねて、……あたしが代れたらよかったのに、こんなふうでおまえにまで苦労をかけて、辛い思いをしてまだ死ねないなんて、……業が深いっていうんだろうけれど、つくづくお父つぁんが羨ましいよ。

宇之吉も苦しいなかでよくちからになって呉れた。口の重い性分で、いつもむっと怒ったような顔をしているし、して呉れることもたかの知れたものだったが、おけいにとっては大きな心の支えであり、頼りであった。そうして、急速に二人の思いが結びついていった。

――辛抱しよう、おけいちゃん、いまによくなってゆくよ、もう暫くだよ、苦しいだろうが、きっといまになんとかなるからな。

宇之吉はそう云って励まして呉れた。しかしその彼自身がまた不幸にみまわれていた。いちばん下の弟の九つになる竹次が、この正月にひどい怪我をした。木登りをして遊んでいたのが落ちて、額を割り右の太腿の骨を折った。