Japanische Klassiker mit Furigana
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ついぼ
追慕
宮本 百合子
Lesen Sie 追慕 (ついぼ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.353 Zeichen · 5 Bildschirme
如何な意味に於ても、自分に受けたものはきっと自分の裡の何かに成っている。だからよい。けれども人に与えられたものは謝したい。謝さずにはいられない心持がする。そういう人々の裡には愛すべき両親もいる。其他二三の人もいる。皆の生活が真実で、真剣で、あるべきようにあればよいな、と思う。静謐な祈願である。
「天心たかく――まぶたひたと瞑ぢて――気澄み 風も死したり
あゝ善良き日かな
双手はわが神の聖膝の上にあらむ」
天心たかく――まぶたひたと瞑ぢて――まぶたひたと瞑ぢて――
無我の瞬時、魂は自由な飛翔をすると思う。其時に「人」はよくなる。生きる霊魂には斯ういう忘我がなければならない。小細工に理窟で修繕するのではない根からすっかり洗われるのだ。そして軽々と「果」を超える。只一点に成るのだ。
昔小学校で送った幾年かの記憶は、渾沌としている。其の渾沌の裡に只三つ丈光った星座がある。私と、愛弟と或る青年の先生とである。
其時分、先生はもう大人だと思っていた。十二三の自分は、理性と感情との不均斉から絶えず苦しんでいた。恐ろしく孤独だった。世界が地獄のようであった。そして、今年十九に成った愛弟は、まだ純白な小羊であったのである。