Japanische Klassiker mit Furigana
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ついおく
追憶
Lesen Sie 追憶 (ついおく) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.304 Zeichen · 23 Bildschirme
僕はこの小さい馬車に乗って、お竹倉や何かを通りたかった。しかし僕の守りをした「つうや」はなぜかそれを許さなかった。あるいは僕だけ馬車へ乗せるのを危険にでも思ったためかもしれない。けれども青い幌を張った、玩具よりもわずかに大きい馬車が小刻みにことこと歩いているのは幼目にもハイカラに見えたものである。
一六 水屋
そのころはまた本所も井戸の水を使っていた。が、特に飲用水だけは水屋の水を使っていた。僕はいまだに目に見えるように、顔の赤い水屋の爺さんが水桶の水を水甕の中へぶちまける姿を覚えている。そう言えばこの「水屋さん」も夢現の境に現われてくる幽霊の中の一人だった。
一七 幼稚園
僕は幼稚園へ通いだした。幼稚園は名高い回向院の隣の江東小学校の附属である。この幼稚園の庭の隅には大きい銀杏が一本あった。僕はいつもその落葉を拾い、本の中に挾んだのを覚えている。それからまたある円顔の女生徒が好きになったのも覚えている。ただいかにも不思議なのは今になって考えてみると、なぜ彼女を好きになったか、僕自身にもはっきりしない。しかしその人の顔や名前はいまだに記憶に残っている。