Japanische Klassiker mit Furigana
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れんかんき
連環記
幸田 露伴
Lesen Sie 連環記 (れんかんき) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.281 Zeichen · 95 Bildschirme
平安朝は丁度太平の満潮、まして此頃は賢女才媛輩出時代で、紫式部やら海老茶式部、清少納言やら金時大納言など、すばらしい女が赫奕として、やらん、からん、なん、かん、はべる、すべるで、女性尊重仕るべく、一切異議申間敷候と抑えられていた代であったから、定基の妻は中々納まっては居なかった、瞋恚の火むらで焼いたことであったろう。いや、むずかしくも亦おそろしく焼き立てたことであったろう。ところが、火の傍へ寄れば少くとも髭は焼かれるから、誰しも御免蒙って疎み遠ざかる。此の方を疎みて遠ざかれば、余分に彼方を親み睦ぶようになる。彼方に親しみ、此方に遠ざかれば、此方は愈々火の手をあげる。愈々逃げる、愈々燃えさかる。不動尊の背負って居らるる伽婁羅炎という火は魔が逃げれば逃げるだけ其火が伸びて何処までも追駈けて降伏させるというが、嫉妬の火もまた追駈ける性質があるから、鬚髭ぐらい焼かれる間はまだしもだが、背中へ追いかかって来て、身柱大椎へ火を吹付けるようにやられては、灸を据えられる訳では無いし、向直って闘うに至るのが、世間有勝の事である。即ち出すの引くのという騒動になるのである。