Japanische Klassiker mit Furigana
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れんかんき
連環記
幸田 露伴
Lesen Sie 連環記 (れんかんき) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.281 Zeichen · 95 Bildschirme
世外の老人の死だから、五年やそこらは何れが真実でも差支は無いが、想うに書写輾転の間に生じた何れかの誤りなるのみであろう。長徳の方が正しいかも知れぬ。長保四年の冬には寂照が日本に居無かったかと思われるから。
長徳でも長保でもよい、寂心は晏然として死んだのである。勿論俗界の仕事師ではなかったから、大した事跡は遺さなかった。文筆の業も、在官の時、永観元年の改元の詔、同二年、封事を上らしめらるるの詔を草したのを首として、二十篇ばかりの文、往生極楽記などを遺したに過ぎないで終ったが、当時の人の心界に対して投げた此人の影は、定基を点化した一事に照しても明らかであった。そこで此人の往生に就ても面白い云伝えが残っている。普通の信心深い仏徒や居士の終りには、聖衆来迎、紫雲音楽めでたく大往生というのが常である。それで西方兜率天か何処か知らぬが遠いところへ移転したきりというのが定まりであるが、寂心の事を記したのは、それで終っていない。東山如意輪寺で型の如くに逝いた後、或人が夢みた。寂心上人は衆生を利益せんがために、浄土より帰りて、更に娑婆に在すということであった。かかることが歴然と寂心上人伝に記されているのである。