Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にげていくひとだま

遁げて往く人魂

田中 貢太郎

Lesen Sie 遁げて往く人魂 (にげていくひとだま) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 323 Zeichen · 1 Bildschirme

Aozora Bunko

二人の仕事師が某夜夜廻りに往っていると、すぐ眼の前でふうわりと青い火が燃えた。二人は驚いて手にしていた鳶口で、それを敲こうとすると、火の玉は吃驚したように向うの方へ往った。

二人は鳶口を揮りながら追っかけた。そして、数町往ったところで、その火の玉は唯ある巷へ折れて、その突きあたりの家の櫺子窓からふわふわと入ってしまった。と、家の中から苦しそうな呻きが聞えて来た。それと同時に年とった女の声がした。

「お爺さん、これお爺さん、何をそんなに魘されてるのだよ」

すると老人の声で、

「ああ怕かった、乃公が街を歩いてると、何をかんちがいしやがったのか、二人の仕事師が、だしぬけに鳶口を持って追っかけて来たのだから、命からがら逃げて来たのだよ」

と云った。