Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みちづれ
道づれ
宮本 百合子
Lesen Sie 道づれ (みちづれ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.491 Zeichen · 41 Bildschirme
或る意味で人間感情の本質的な進歩にかかってるものね」
山原は、
「ふむ」
と云ったが、話頭を一転して、
「どうも俺はあの連中は苦手だ」
大股に歩きながら、ぺっと地面に唾をした。
「結局中途はんぱな実行力のない奴等のすてどころということじゃないのか」
ずっと黙って重吉と山原の間にはさまって歩いていた光井が、
「そういうのは間違いだ」
ぽつんと、単刀直入に云ってあとはまた黙ってしまった。ひとくちに云えない感情がさっきから光井の胸にだんだんひろがり高まっているのであった。それは重吉に対する心持であった。今夜も光井がよくみていると、重吉が泳ぎに例えれば二肩ばかりまわりを抜いたと思われたところがあった。重吉は自分でそれを意識しているのかいないのか、何とも云えない自然の力のこもり工合で、これ迄も折々光井にそういう心を魅するような瞬間を見せた。光井はそういう重吉から昨今自分の眼を引はなせない心持になっていて、二人で酒をのみならったりした高校時代からの友情が将に非常な信頼へ躍りこんで行きそうな予感をもっているのであった。そして、この予感は個人的な道をとおってはいるが、あついものに触れそうで、光井に激しい予期と恐怖に似た感情を味わせているものなのである。