Japanische Klassiker mit Furigana
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みちづれ
道づれ
宮本 百合子
Lesen Sie 道づれ (みちづれ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.491 Zeichen · 41 Bildschirme
何でも或る俄雨のとき、その令嬢が頭から濡れながら、格別身装をいとおうともせず歩いてゆくのを見て、その様子に心をひかれたということであった。
男としてそういう女を面白く思ったという点もみほ子にはわかる心持がした。が、それにしろ、帯だけ何十本も持って来るようなひとにとって、車にものらず往来する程度の着物ぐらいが、何ほどのことであろう。びしょ濡れになってみることも、時にとっての若々しい一興であったろう。小さな見栄や気位なんかに煩わされるに及ばない程巨大に庇護されている娘の鷹揚さにひかれて妻にする心、つつましやかな働く娘にひかれてゆく心。どちらもこの人にしてみれば女に対して自分が選ぶ自由をもった上での好みである。折りかえした形であらわれている上流人らしい傲慢さを感じて、みほ子は、自分の中に反撥するものがあり、店のほかの連中と一緒に興味本位でそのお喋りに入ってゆけなかった。
みほ子は、古びた茶箪笥からカリン糖を出してかじりながらハトロン紙のカバーをかけた雑誌をめくっていた。そこに出ているエスペラント講習会の広告を見ているうちに、きりっとした彼女の口元がいかにもおかしそうにゆるんで来た。