Japanische Klassiker mit Furigana
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どうじょうじ(ひとまくげき)
道成寺(一幕劇)
郡 虎彦
Lesen Sie 道成寺(一幕劇) (どうじょうじ(ひとまくげき)) von 郡 虎彦 (こおりとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.256 Zeichen · 30 Bildschirme
第一段
誤ち求めて山に入りたる若僧と僧徒妙信とあり。若僧が上手鐘楼の角により奥の方を伺える間、妙信は物おじたる姿にて中辺に止まり、若僧のものいうをまつ。不安なる間。
若僧 (女人の美を具えたる少年、齢二十に余ることわずかなれば、新しき剃髪の相傷ましく、いまだ古びざる僧衣を纏い、珠数を下げ、草鞋を穿ちたり。奥の方を望みつつ)やっぱり和尚様でございます。ちょうどいま月の流れが本堂の表へ溢れるようにあたっているので、蒼い明るみの真中へうしろ向きに見えて出ました――恐ろしい蜘蛛でも這い上るように、一つ一つ段へつかまりながら――
妙信 (年齢六十に近く白髯を蓄え手には珠数を持てり。若僧のものいえる間ようよう上手に進み行きついに肩を並べつつ)今さっき本門の傍で呻いていると思ったが、いつのまにか上って来たのだな。ああして狂気の顔が、水に濡れたされこうべのように月の中へ浮んで、うろうろ四辺を振り向いた様子は、この世からの外道ともいおうばかりだ。
若僧 あ、――
妙信 あんなに跳り込んで、また本堂の片すみにつく這いながら、自分の邪婬は知らぬことのように邪婬の畜生のとわめくのがはじまろうわ。