Japanische Klassiker mit Furigana
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とおのへ
遠野へ
水野 葉舟
Lesen Sie 遠野へ (とおのへ) von 水野 葉舟 (みずのようしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.903 Zeichen · 117 Bildschirme
ではあの紋付か?
やがて二人はまた出て行った。私はその足音を聞きながら、紋付がこの町の婦人達の前でする饒舌を想像した。
日の暮れ方に野口君が来た。二人で顔を見合わせると野口君は私の着く時日の違った不平を言った。私は来て見ると思ったよりも田舎だと言った。
そのうちに隣りでも帰って来たらしい。いつか話がはじまっている。折ふし、
「もう占めたものだ。明日愛国婦人会の幹部が集まりさえすればそれからはいくらでも話が進む。」とか、「郡長の夫人はあれでなかなか分ってるぞ。」とか、「君は明日役場に行って、も一度愛国婦人会の名簿を借りて名をうつしたまえ。」など言うのが聞こえた。
高調子の男の語調はかつて伊勢から来ていた友人とそっくりだ。
私はその夜、野口君から野口君の友人達が集まって私と話そうと計画しているということを聞いた。
五
次の朝、私がまだ寝ているうちから、野口君が来た。二人はしきりと別れたのちの話をしながら、町を歩いた。
私のする話……われわれの友人達の消息や、或るとき、互いに出逢って話し合った話などを話していると、野口君は熱心に聞いていながら、どこか妙にそわついた調子を見せ出した。