Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いあいしゅう

遺愛集

島 秋人

Lesen Sie 遺愛集 (いあいしゅう) von 島 秋人 (しまあきと) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.488 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

カリエスの孤児の少女のあみくれしレースの花器しき許可にならざり

許されぬレースの花器しき見るだけと許しを乞ひて描き写したり

甍なき獄にありて窓に恋ふ雨の濡れ泌む夕べの街を

フランスの詩人を想ひ灯に濡るる獄のさ庭の優しさ見つむ

更けてなほはげしき雨にぬかりゆく獄土に冴ゆる灯の美しき

独房もさかさに見ゆる児童画もめづらしかりき寝ころびてゐて

看守の眼しばしを盗みさびしさにころがりをれば視野がめづらし

許されぬ事をおそれつつさびしさに寝ころびてゐる獄のまひるを

ふるさとに遊びし子の頃憶ひつつ賜ひし貝を唇に当て吹く

友もまたわれに同じく生きたしと云ふをし聞けば哀しかりけり

わが体重五十二キロを指しゐたりさびしきことのふくまれてゐて

許されて働くしぐさを夢うちにありありとみてわれは生きたし

いたはりを求めて深夜の荒壁に触りぬつめたき拒絶と知りつつ

罪のなき憶ひに至り双の掌を眠れぬ夜更けの灯にかざしたり

良き事は少しのままに過ぎたれど憶へば愛しきわが少年期

ほめられしひとつのことのうれしかりいのち愛しむ夜のおもひに

ひると夜の顔のあるなり死刑囚悔いに慣らさるひとりの部屋に

看守にも友にも見せぬかなしめる顔うつし見る夜の流しに