Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅゆうれつでん
酒友列伝
山之口 貘
Lesen Sie 酒友列伝 (しゅゆうれつでん) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.066 Zeichen · 12 Bildschirme
もっと飲むというので、そろそろ危いとおもい、表へ連れ出して自動車に乗せたところ、走り出してまもなくのこと、ドアを開けて飛び出したりして、運転手とぼくを梃摺らせた。船頭さんに限らないが、いままでの経験で、深飲みする酒友の看護役が、いつもぼくなのは、いつも会計をむこう持ちにして飲んでいる罰だとおもったりして、多少人生のさびしさを味わうことがある。
ある夜、六、七人程の定連で、例の泡盛屋で、終電が逃げ出すころまで飲んだ。みんなはUさんに誘われて、かれの家へ行ったが、飲み疲れていたので、酒を中止し、一膳でも御飯にしようということになった。食卓のまんなかには、大きなどんぶりに一杯、魚の煮たのがあった。翌朝、眼が覚めてみると、膳のぐるりに、みんなは雑魚寝していたが、みんなが起きたところへUが来て、ひざまずいて云うのには「みなさんに昨夜はまことに失礼なことをして申しわけない。」と云って頭を掻いた。「実は昨夜のどんぶりのは、間違えて犬の餌でした。なんとも申しわけない。」とまた頭を掻いたのである。みんな顔を見合わせたが、難を逃れたのは、珍らしいことに、ぼくなのであった。