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Japanische Klassiker mit Furigana

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かわぐちこ

野菊の墓他六篇

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓他六篇 (かわぐちこ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.105 Zeichen · 61 Bildschirme

Aozora Bunko

親の顔色を見て、口にそうとは言わなくともさえない顔色して自然元気がない。子どもながら両親の顔色や話しぶりに、目を泣き耳を立てるというふうであるのだ。

こうなると君、人間というやつはばかに臆病になるものだよ、何ごとにもおじ気がついて、埓もなくびくびくするのだ。

こんなことじゃいかん、あまりひとすじに思い込むのは愚だ。不景気も要するに一時の現象だから一年も二年も続く気づかいはない。ともかく一月一月でもどうにかやって行ければ、そのうち息をつくときもあるだろう。

だれでも考えそうな、たわいもない理屈を思い出して、一時の気安めになるのも、実は払わねばならぬものは払い、言い延べのできるものは言い延べてしまった、月と月との間ぎわ少しのあいだのことだ。収入はまた先月よりも減じた。支払いは引き残りがあるからむろん先月よりも多い。一時のつけ元気で苦しさをまぎらかしたのも、姑息の安を偸んでわずかに頭を休めたのも月末という事実問題でひとたまりもなく打ちこわされてしまう。

臆病心がいよいよこうじてくると、世の中のすべての物がことごとく自分を迫害するもののように思われる。強風が吹いて屋根の隅でも損ずれば、風が意地わるく自分を迫害するように感ずる。