Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かわぐちこ
野菊の墓他六篇
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓他六篇 (かわぐちこ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.105 Zeichen · 61 Bildschirme
「こうしているのをいま少しすぎにみな撲殺してしまうのかと思うと、損得に関係なく涙が出る」
主人はいまさら胸のつかえたように打ち語るのであった。けさ分娩したのだという白牛は、白黒斑のきれいなわが子を、頭から背から口のあたりまで、しきりにねぶりまわしているなどは、いかにも哀れに思われた。牡牛のうめき声、子牛の鳴き声等あい混じてにぎやかである。いずれもいずれも最後の飼葉としていま当てがわれた飼桶をざらざらさも忙しそうに音をさせてねぶっている。主人は雇人に、
「これきりの飼葉だ、ねぶらせておけよ。桶も焼いてしまうのだ。かじってえい……」
主人の声はのどにつまるように聞こえた。僕は慰めようもなく、ただおおいに放胆なことをいうて主人を励ました。
警視庁の獣医も来て評価人も規定どおり三人そろうたから、さっそくということで評価にかかった。一時四十分ばかりで評価がすむとまったく夜になった。警官連はひとりに一張ずつことごとく提灯を持って立った。消毒の人夫は、飼料の残品から、その他牛舎にある器物のいっさいを運び出し、三カ所に分かって火をかけた。盛んに石油をそそいでかき立てる。