Japanische Klassiker mit Furigana
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ななこ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (ななこ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.271 Zeichen · 144 Bildschirme
とよのやつの厭だと言うにゃいわくがあるからだ、厭だとは言わせられないんだ」
「佐介、もうおよしよ、これでは相談にはなりゃしない。ねいおまえさん、お千代がよくあれの胸を聞くはずですから、この話は明日にしてください。湯がさめてしまった、佐介、茶にしろよ」
父はますますむずかしい顔をしている。なるほど平生おれに片意地なところはある、あるけれども今度の事は自分に無理はない、されば家じゅう悦んで、滞りなく纏まる事と思いのほか、本人の不承知、佐介も乗り気にならぬという次第で父は劫が煮えて仕方がない、知らず知らず片意地になりかけている。呆れっちまった、どうしてあんなにばかになったか、もう駄目だ、断わってしまう、こう口には言っても、自分の思い立った事を、どんな場合にもすぐ諦めてよすような人ではない。いろいろ理屈をひねくって根気よく初志を捨てないのがこの人の癖である、おとよはこれからつらくなる。
お千代はそれほど力になる話相手ではないが悪気のない親切な女であるから、嫁小姑の仲でも二人は仲よくしている。それでお千代は親切に真におとよに同情して、こうなって隠したではよくないから、包まず胸を明かせとおとよに言う。