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Japanische Klassiker mit Furigana

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ななこ

野菊の墓

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓 (ななこ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.271 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

恋も金も働きものでなくては得られない。一家にしても、その家に一人の不精ものがあれば、そのためにほとんど家庭の平和を破るのである。そのかわりに、一家手ぞろいで働くという時などには随分はげしき労働も見るほどに苦しいものではない。朝夕忙しく、水門が白むと共に起き、三つ星の西に傾くまで働けばもちろん骨も折れるけれど、そのうちにまた言われない楽しみも多いのである。

各好き好きな話はもちろん、唄もうたえばしゃれもいう。うわさの恋や真の恋や、家の内ではさすがに多少の遠慮もあるが、外で働いてる時には遠慮も憚りもいらない。時には三丁と四丁の隔たりはあっても同じ田畝に、思いあっている人の姿を互いに遠くに見ながら働いている時など、よそ目にはわからぬ愉快に日を暮らし、骨の折れる仕事も苦しくは覚えぬのである。まして憎からぬ人と肩肘並べて働けば少しも仕事に苦しみはない。よし色恋の感情は別としても、家じゅう気をそろえて働けば互いに心持ちよく、いわゆる一家の和合からわき起こる一種の愉快もまたはなはだ趣味の深いものである。

省作が片肌脱いで勢いよく鎌をとぎ始めれば、兄夫婦の顔にもはやむずかしいところは少しもなくなって、快活な話が出てくる。