Japanische Klassiker mit Furigana
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きんしょうぐん
金将軍
Lesen Sie 金将軍 (きんしょうぐん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.699 Zeichen · 6 Bildschirme
しかし金将軍は少しも騒がず、咄嵯にその宝剣を目がけて一口の唾を吐きかけた。宝剣は唾にまみれると同時に、たちまち神通力を失ったのか、ばたりと床の上へ落ちてしまった。
金応瑞は大いに吼りながら、青竜刀の一払いに行長の首を打ち落した。が、この恐しい倭将の首は口惜しそうに牙を噛み噛み、もとの体へ舞い戻ろうとした。この不思議を見た桂月香は裳の中へ手をやるや否や、行長の首の斬り口へ幾掴みも灰を投げつけた。首は何度飛び上っても、灰だらけになった斬り口へはとうとう一度も据わらなかった。
けれども首のない行長の体は手さぐりに宝剣を拾ったと思うと、金将軍へそれを投げ打ちにした。不意を打たれた金将軍は桂月香を小腋に抱えたまま、高い梁の上へ躍り上った。が、行長の投げつけた剣は宙に飛んだ金将軍の足の小指を斬り落した。
その夜も明けないうちである。王命を果した金将軍は桂月香を背負いながら、人気のない野原を走っていた。野原の涯には残月が一痕、ちょうど暗い丘のかげに沈もうとしているところだった。金将軍はふと桂月香の妊娠していることを思い出した。倭将の子は毒蛇も同じことである。今のうちに殺さなければ、どう云う大害を醸すかも知れない。