Japanische Klassiker mit Furigana
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きんぎょりょうらん
金魚撩乱
岡本 かの子
Lesen Sie 金魚撩乱 (きんぎょりょうらん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.999 Zeichen · 67 Bildschirme
宗十郎夫婦はその前は荻江節の流行らない師匠だった。何しろ始めは生きものをいじるということが妙に怖しくって、と宗十郎は正直に白状した。
「復一こそ、この金魚屋の当主なのです。だから金魚屋をやるのが順当なのでしょうが、どういうことになりますか、今の若ものにはまた考えがありましょうから」
宗十郎は淡々として、座敷の隅で試験勉強している復一の方を見てそういった。
「いや、金魚はよろしい。ぜひやらせなさい。並の金魚はたいしたこともありますまいが、改良してどしどし新種を作れば、いくらでも価格は飛躍します。それに近頃では外国人がだいぶ需要して来ました。わが国では金魚飼育はもう立派な産業ですよ」
実業家という奴は抜け目なくいろいろなことを知ってるものだと、復一は驚ろいて振り返った。鼎造は次いでいった。「それにしても、これからは万事科学を応用しなければ損です。失礼ですが復一さんを高等の学校へ入れるに、もしご不自由でもあったら、学費は私が多少補助してあげましょうか」
唐突な申出を平気でいう金持の顔を今度は宗十郎がびっくりして見た。すると鼎造はそのけはいを押えていった。
「いや、ざっくばらんに云うと、私の家には雌の金魚が一ぴきだけでしょう。