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Japanische Klassiker mit Furigana

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きんぎょりょうらん

金魚撩乱

岡本 かの子

Lesen Sie 金魚撩乱 (きんぎょりょうらん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.999 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

この大きな魚漁家の娘の秀江は、疳高でトリックの煩わしい一面と、関西式の真綿のようにねばる女性の強みを持っていた。

試験所から依頼されているのだが、湖から珍らしい魚が漁れても、受取りの係である復一は秀江の家へ近頃はちっとも来ないのである。そして代りの学生が来る。秀江はどうせ復一を、末始終まで素直な愛人とは思っていなかった。いよいよ男の我壗が始まったか、それとも、何か他の事情かと判断を繰り返しながら、いろいろ探りを入れるのであった。幹事である兄に勧めて青年漁業講習会の講師に復一を指名して出崎の村へ二三日ばかり呼び寄せようとしてみたり、兄の子を唆かして、あどけない葉書を復一に送らせ、その返事振りから間接に復一の心境を探ろうとしたりした。彼女自身手紙を出したり、電話をかけても、復一から実のある返事が得られそうな期待は薄くなった。彼女は兄夫婦の家の家政婦の役を引受けて、相当に切廻していた。彼女と復一との噂は湖畔に事実以上に拡っているので、試験所の界隈へは寄りつけなかった。

「東京を出てからもう二年目の秋だな」

復一は、鏡のように凪いだ夕暮前の湖面を見渡しながら、モーターボートの纜を解いた。