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Japanische Klassiker mit Furigana

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きんぎょりょうらん

金魚撩乱

岡本 かの子

Lesen Sie 金魚撩乱 (きんぎょりょうらん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.999 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

いま、僕に湖畔の一人の女性が、うやうやしくそれを捧げていいます」

復一は自分ながら嫌味な書きぶりだと思ったが仕方がなかった。そして事実はわずかの間で打ち切った秀江との交渉が、今はほとんど絶え絶えになっているのを誇張して手紙を書きながら、復一はいよいよ真剣に彼女との戦闘を開始したように感じられて、ひとりで興奮した。真佐子に少しでもある女の要素が、何と返事を書いて来るにしろ、その中に仄めかないことはあるまい。これが真佐子の父親に知れ、よしんば学費が途絶えるにしても真佐子を試すことは今は金魚の研究より復一には焦慮すべき問題であった。

「その女性は、あなたほど美しくはないけれども、……」と書いて、「あなたほど非人情ではありません」とは書きかね、復一は苦笑した。

だんだん刺戟を強くして行って復一はしきりに秀江との関係を手紙の度に情緒濃く匂わして行ったが、真佐子からの返事には復一の求めている女性の肉体らしいものは仄めかないで、真佐子が父と共にだんだん金魚に興味を持ち出したこと、父のは産業的功利も混るが、自分のは不思議なほど無我の嗜好や愛感からであることなど、金魚のことばかり書いてある。