Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きんぎょりょうらん

金魚撩乱

岡本 かの子

Lesen Sie 金魚撩乱 (きんぎょりょうらん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.999 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

世界大戦後、経済界の恐怖に捲込まれて真佐子の崖邸も、手痛い財政上の打撃を受けたという評判は崖下の復一の家まで伝わった。しかし邸を見上げると反対に洋館を増築したり、庭を造り直したりした。復一の家から買い上げて行く金魚の量も多くなった。金魚の餌を貰いに来た女中は、「職人の手間賃が廉くなったので普請は今のうちだと旦那様はおっしゃるんだそうです」といった。崖端のロマネスクの半円祠堂型の休み場もついでにそのとき建った。

「金儲けの面白さがないときには、せめて生活でも楽しまんけりゃ」

崖から下りて来て、珍らしく金魚池を見物していた小造りで痩せた色の黒い真佐子の父の鼎造はそう云った。渋い市楽の着物の着流しで袂に胃腸の持薬をしじゅう入れているといった五十男だった。真佐子の母親であった美しい恋妻を若い頃亡くしてから別にささやかな妾宅を持つだけで、自宅には妻を持たなかった。何か操持をもつという気風を自らたのしむ性分もあった。

復一の家の縁に、立てかけて乾してある金魚桶と並んで腰をかけて鼎造は復一の育ての親の宗十郎と話を始めた。

宗十郎の家業の金魚屋は古くからあるこの谷窪の旧家だった。