Japanische Klassiker mit Furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.547 Zeichen · 27 Bildschirme
」
「ふうむ。」
「どうもこりゃあ八百駒の仕事に違えねえ。同勢四人、揃えて乗り込んで待ちやしょうか。」
「まあ、待て。」
「だが、逃かる。」
「なあに、ずらかりゃしねえ。」
「はははは。」佐平次が笑い出した。「彦さん、犯人は先刻こっちへ割れてますよ。ねえ親分。」
「え? ほんとでげすか。」
「勘弁ならねえ。」
勘と彦とが同時に藤吉を見詰める。
「嘘をつくけえ!」藤吉は嘯いた。
「逸見流弓術の名人、御家新。甚右衛門が嗅ぎ当てました。」と佐平次。
「そのことよ。」と藤吉しばらく瞑目していたが、「佐平次どん、筆を三本、紙が三枚、何でもいい、あったら出して筆にたっぷり墨を含ませて、銘々に筆と紙を渡してやんな。お前さんも筆を取って。」
三人、膝に紙を伸べて、筆を持って、不思議そうに控えた。藤吉は手枕、横になっている。
「さ、みんな俺らの言うことを書くんだぞ。」
「勘弁ならねえが、」と勘弁勘次、「こちとら無筆だ。」
「勘、黙ってろ。」
「へえ。」筆の穂を舐めて三人は待っている。ところが藤吉、ぐうともすうとも言わない。いや、そのうちぐうすう言い出した。高鼾である。
三人が三人とも、やがて持てあます退屈。